■７番人気・４着■　３勝クラス昇格後は少差のレースもありながら結果を残せていなかったが、初の短距離戦で素晴らしい末脚を発揮し新たな活路を見い出した一戦となった。母は桜花賞馬・マルセリーナで、兄にラストドラフトやヒートオンビート重賞活躍馬の多い血統も、25戦を消化し未だ３勝クラスで足踏みが続いていた。デビューからマイル～中距離戦を使われ続けたが、連続好走がなく安定しない戦績が続いていた。今回は父ロードカナロアという血統背景もあり遅すぎると思われる初の短距離戦に参戦し、小回りコースでの大外17番枠という不利も見せ場十分の走りを見せている。互角のスタートながら大幅な距離短縮戦で行き脚は付かない。道中は最後方追走となり３コナーから鞍上が促しながらとなったが、直線入口でムチが入ると馬群取り付き勢いを付けて直線を向かえる。残り200ｍで内外から寄られて追い辛くなり、外を伸びていた２着馬を行かせてさらに外に持ち出す不利が重なったが、残り50ｍからの豪脚は目を惹きゴール前は断然の脚色で上位馬に迫っている。ラスト11.8-11.7秒と加速ラップのなか猛追した末脚は強烈であった。追い切りでも集中力が増して動きが変わってきており、－18キロの馬体が好走要因となったかは微妙も初短距離戦で好走した内容は素晴らしいものであった。新たな可能性を見せた短距離戦で、次走以降は更なる上昇に期待できそうだ。

■３番人気・４着■　デビュー戦は結果を残せなかったが、大きな出遅れと無理をさせないレース運びでの敗戦で、ポテンシャルの高さは十分に感じさせた初陣であった。最終追い切りで好時計をマークした馬が揃いハイレベル戦が繰り広げられた。この馬も函館芝コースの最終追いで４Ｆ48.9-11.8秒と素晴らしい時計をマークして３番人気に推されていた。血統的にも早くから活躍するタイプが多い血筋で、デビュー勝ちの期待が大きかったが、スタートで大きく立ち遅れる誤算が生じてしまった。奇数枠スタートでゲートで待たされた影響からか反応が悪く飛び上がる様なスタートとなり、３馬身程の出遅れを喫してしまう。１コーナー入口では先頭から10馬身以上離された最後方を追走と前半から厳しい戦いを強いられた。向こう正面に入るとペースが落ち、折り合いを重視しながら徐々に上昇を開始するも、残り1000ｍからはペースが上がり外々を回りながら追い上げて脚を使わされる形となる。早めにスパートを開始した先団勢が11.7-11.8-11.3秒と速い上がりをマークし有利に働いたが、４コーナーで外に膨れ気味ながら追い上げを開始し、長く脚を使って４着まで追い上げたレース内容は上々で悲観材料にはならない。フットワークが大きく小回りコースもやや合わなかった印象で、順調に新潟コースに替わる次走を迎えられれば大きな上積みに期待できる。

■２番人気・１着■　最終追い切りで好時計をマークしたリアライズルミナスに１番人気は譲ったが、母・クロノジェネシスを彷彿させる抜群の末脚で豪快に初陣を飾った。エピファネイア産駒の気性の難しさが残り、口向きの悪さから競馬を教える意味合いの強かったデビュー戦。斉藤崇師も慎重な初陣となったが、鞍上に母の主戦であった北村友騎手を配しクロノジェネシスの初仔に期待が集まった。ゲートの出がひと息で直後に躓く不利があり大きなロスを抱え最後方からの競馬となる。1000ｍ通過が１分４秒８とスローペースで馬群が固まり厳しい展開となったが、内目から徐々に先団との差を詰め４コーナーでは先団馬群の後ろを絶好の手応えで前が空くのを待つ。直線に向き前４頭の外に進路を確保すると鞍上の仕掛けに反応し、残り100ｍで手前を替えると一気に加速しゴール前で先団を捕える強い内容。ラスト12.0-11.5秒の加速ラップを素晴らしいキレで差し切ったポテンシャルは疑う余地がない。母・クロノジェネシスは２歳戦から世代トップクラスの結果を残し、３歳秋の秋華賞制覇から古馬になって牡馬混合の宝塚記念連覇を含め有馬記念も制した名牝である。デビューから母・クロノジェネシスの主戦ジョッキーであった北村友騎手は大怪我を負って凱旋門賞挑戦や引退レースに乗れなかった経緯からも初仔にかかる期待は大きい。母同様の斉藤崇師×北村友騎手コンビが早くもクラシック主役候補と感じさせている逸材の今後の動向に大注目していきたい。